〜情熱ライフコーチ ジョニー稲垣が贈る 情熱的人生のすすめ〜

PFLインタビュー(INTERVIEW) 情熱ライフコーチ ジョニー稲垣が贈る 情熱的人生のすすめ 〜Passion For Life〜

【第2回】ゲスト… 鈴木義幸 氏 《1》

お待たせ致しました、ついにインタビュー第2弾がオープンです。

今回は、知人でもある株式会社コーチ・エィ取締役副社長の鈴木義幸さんにお願いをしたところ、快く引き受けて頂きました。

鈴木義幸さんとは、96年に伊藤守さん(株式会社コーチ・エィ株式会社コーチ21取締役社長)のセミナーで知り合い、また、妻の元上司ということもあり、結婚式でもスピーチをしていただいています。(関係ないか?)

鈴木義幸さんは、日本にコーチングが入ってきて、まだコーチングがあまり知られていない頃、会社四季報を見て、電話でアポを取って、という営業から入り、今では、大企業の企業研修や、日本でも名の知れた方へのエグゼクティブコーチをするまでの大変有名なコーチとなりました。
コーチングブームの火付け役と言っても過言ではないでしょう。
まさに鈴木義幸さんの情熱が、日本でのビジネスコーチングを発展させた原動力になっていると思います。

いつか、鈴木義幸さんにはお話を聞いてみたいという思いはあったのですが、今回、本田健さんが、鈴木さんのコーチングを受けているという話を聞いたこともあり、何かご縁を感じ、インタビューをお願いしました。

そんな鈴木義幸さんの情熱の源は何なのか?

大変興味深いですよね。

それを探っていきたいと思います。

今日から、2週間の間隔で3回シリーズで皆様にお伝えしていきます。

さて、インタビュー場所は東京千代田区三番町株式会社コーチ21本社の会議室です。
インテリアなど、内装がとてもおしゃれな会社でのインタビューになりました。
時間どおりに現地についた私は、受付の方に会議室まで案内していただきました。
会議室には、プレゼンテーションが出来る様にプロジェクターなどの機材も備わっています。机もメガホンを型どったおしゃれなものです。
そこへ、スーツ姿の鈴木義幸さんが現れました。
いつになく緊張している私がいますが、どうなることやら・・・。

1.自分の中でブレイクした瞬間

稲垣: じゃあ、よろしくお願いします。いつもどおり、よっちゃんって呼んでいいですか。
緊張して、どうなるかわかんないけど。
鈴木: もちろん、ええ。いいですよ。
稲垣: 心を動かすリーダーシップ【Amazonのページへ】昔から、ずーっと、よっちゃんの本は読んでいて、その中でも大好きなのが、あの黄色い本の『コーチングのプロが教える心を動かすリーダーシップ』。
数あるよっちゃんの本の中でも、この本は一番感動しました。
鈴木: ありがとうございます。
稲垣: 「ほめる技術」【Amazonのページへ】その前から『「ほめる」技術』とか、最近出た一番最初の本の復刻版、『図解コーチングスキル』になったものとかも、全部持ってます。で、全部好きです。

三重県の公立小学校でコーチングスキルを授業に取り入れて取り組んでいるところがあるのですが、そこの校長先生をはじめ教職員全員で『図解コーチングスキル』を教則本として購入して、勉強しています。

図解コーチングスキル【Amazonのページへ】その学校には、僕もプロデューサー的な形で関わっています。
 その学校では、たくさんあるコーチング本の中から、どの本が一番いいかと吟味した結果、やっぱりよっちゃんのが一番いいということになったんですよ。もちろん僕もお薦めしましたが・・・。それ読んで、みなさんがんばってます。
鈴木: へぇ。あらっ、うれしいですね。
稲垣: そこでですねえ。
今回は、たくさんの人に情熱を振りまいている、そのよっちゃんの情熱が、どこから来ているのか、というのをちょっと探らせてもらいたいと思っています。

私がよっちゃんと会ったのは、1996年に伊藤さんの主催するセミナーですよね。
あの時にお会いして、よっちゃんはアシスタントとしてサポートしてくれていたと思うのですが、最初は、愛らしい方だなあというのが正直な第一印象で、とても情熱家だとは思ってもいませんでした。

あの時は、しゃべったらいけないじゃないですか。なのによっちゃんからしゃべりかけてきて、「何考えてんだ、この人」と思ってたら、伊藤さんに注意されて、怒られてる光景が今でも目に焼き付いています。
鈴木: えっ、そうだっけ?(笑)
稲垣: で、その2年後かな、1999年ぐらいに会ったときに、ガラッと変わっていて。
で、2000年に会った時は、雲の上の人みたいな存在になってた。

かなり変わったなと思いました。妻の陽子からもその時の様子をいろいろ聞いていたんですよ。

その辺で、鈴木さんの中でどういう変化があったのかについて聞きたいなと思います。何かブレイクしたものがあったと思うんです。その辺を教えていただけますか?
鈴木: 一番大きかったのは、最初、全然芽が出ない時期があったんですね。
伊藤さん(コーチ21・コーチエイ代表取締役社長)としては、中小企業を対象にこういうのをやろうよという話をしていて、『ポイント199』という中小企業の経営者を対象にしたのをやり始めたりしました。それが全然うまくいっていなかったんですね。

僕の中では有名な企業に対してやりたいなという思いがすごくあって、その思いを、ある時、伊藤さんに対して自分から言いにいきました。で、「とにかく半年待ってほしい、黙って半年見ていてほしい」と伝えました。「その間、数字は全く出ないかもしれないけれども、半年たったら成果を出すから、その間は口を出さないでほしい」と。

当時の僕と伊藤さんの関係で、伊藤さんにそれを言うのはすごくリスクがあったんですけど、でも言いに行ったんですよ。

多分、伊藤さんも僕の覚悟を察知して「やってみろ」と言ってくれて、その間ですよ。

初めて『四季報』を見て電話がけを始めて、お客さまに問い始めたりというのが起こったのが。

だから、自分で背水の陣でたんかを切っちゃったというのは、すごく大きかったですね。
稲垣: へー、そこから始まったんですね。
鈴木: もっと前にさかのぼって言うと、Aさんがいたじゃないですか。
彼はあのとき、グループ会社の取締役をやっていて、僕から見ていてAさんと伊藤さんって結構経営のパートナーとして対等にやっていて、うらやましかったんです。

で、僕はどちらかというと、一応そのときもコーチ21の取締役になっていたとは思うんですけど、伊藤さんから一方的に言われるような感じがしていました。

ある日、Aさんと2人で飲んでいたんです。そのときに、Aさんが言ったことがすごく印象に残っていて・・・
Aさんが何て言ったかというと、「自分は伊藤さんに対するロイヤリティーもあるし思いもあるけれども、自分で思ったことは絶対に言う」と。「伊藤さんだから言わないというのは、悔いが残るので絶対に言うと決めている」と言ったのを聞いて、それはすごく大事だなと思いました。

コーチングのプロが教える 決断の法則「これをやる!」【Amazonのページへ】それから、伊藤さんに対して、これを言ったら言い訳と思われるんじゃないかとか、それこそ、存在証明と見られるんじゃないか。だから言わないということが結構あったんですけど、そういうのも含めて言っちゃおうと思った瞬間がありました。

多分、その延長線上に「半年間見ていてほしい」っていうのがあったと思います。僕にとっては、すごく大きいターニングポイントだったと思います。

もちろん、そのまた大前提で、伊藤さんから、「おまえ、どうしたいんだよ」というのをしょっちゅう聞かれていたというのもあるんです。「おまえはどうしたいんだよ」というのを事有るごとに聞かれて、伊藤さんも、「どうしたいんだ」と言いながら一方でこうやるっていうのがあるんですけどね。

だから、「どうしたいか」って言われて考えるけど、最終的にこうやれって来ると、やらないといけないなと思って、受け身になっていってしまう。でも、そうじゃなくて、自分からやろうって思えたのは、大きかったですね。
稲垣: そのAさんとの話が本当に大きかった。
鈴木: そう、大きかったですね。
そのシーンはすごくはっきり覚えています。
稲垣: すごい。
でも、それでやらない人もいるし、やるっていうところがやっぱりすごいですよね。
鈴木: やっぱりなんかね……。
すごくぶっちゃけで言えば、根本では負けず嫌いだと思うんです。(笑)

それで、あまり負けた経験がないでしょう。
ラグビーも優勝したし、中学生から高校生まで中間とか期末の定期試験で1番か2番しか取ったことがないんですね。そういう競争に負けた経験がないんですよ。

なので、コーチ21の初期のころに、結果が出ないというのは、初めて味わった経験なんですよね。
稲垣: へー。そうなんだ。
鈴木: うん。だから、すごく精神的にもまいったし、やっぱりこのままじゃ終われないなというのはすごくあって、負けず嫌いなんです。

だから、絶対結果を出したいというのはありましたよね。一応コーチングの哲学を広めたいとか、メディア的には言うんだけど、それは後から付いてくるもので、根底ではやっぱり認められたいとか、負けられないとか。

そういう意味ではAさんとかBさんとか同じ年代ですごくいいライバルだったんですね、僕の中では。
稲垣: なるほど、ライバルね。

2.コミュニケーションのための武器

稲垣: そのような機会をつかんでやってきたんですよね。
でも、実際にやり出すと、やっぱり大変なこともあったと思うんですよ。その辺どうでした?
鈴木: なぜ、誰も言うことを聞かないのか?【Amazonのページへ】最初は、けんもほろろとかいっぱいあったので、例えば、「コーチ21ですけど」と言って、「コーチ21って、冗談みたいな名前ですね」って言われたり。
1時間説明をしたあげくに、「何しに来たの?」って最後に言われたり。そういうのはいっぱいありましたよね。

幾つかそういう失敗を重ねていく中で、途中でやり方を変えたんです。
営業するときに、全部相手に決めてもらうようにしたんです。
コーチング型営業にしたんです。

だから、最初に行って、例えば「僕のほうからまず会社の説明をさせていただいたほうがいいですか。それとも、御社のことについて少しお伺いしてから、お話ししたほうがいいでしょうか」と言って。

「じゃあ、ちょっと説明してよ」とかって言うと、「じゃあ、お時間は5分ぐらい」と言って5分話をして「もう少しお話ししたほうがいいですか。それともここまでの感想をお聞かせいただいたほうがいいですかね」というふうに分岐点で全部相手に選択してもらうようにしたら、すごくうまくいきだしたんです。
稲垣: へー、コーチングスキルを使った営業ですね。
鈴木: うん。だから、コーチング的な営業って何かできないのかなって。
コーチングのセオリーですかね。それはすごくうまくいきましたね。
稲垣: そうやって、リカバーするセンスもすごいですね。
鈴木: なんかあるとき思い立ったんですよね。
それまでは、自分がもう焦っていっぱい話してしまって、うまくいかないというのが何回かある中で、これじゃあだめだなと思って、やり方を変えたんです。
稲垣: ちょっと生意気なんですけど、よっちゃんって、コミュニケーションに関してすごい武器を持っているような気がするんです。

この間会ったときもそうなんですけど、こちらの心にビューッと入ってきてくれるという感覚があるんです。ちょっと言いにくいんですけど。ほかの人だと浅い感じがするんだけど、今もそう、ぐいっとこう来てくれる感じが、ものすごく、私を見てくれてるなあという感じがするんですよね。それも応援されているのを感じるの。

本を見ても同じようなことを思ったんですけど、『「ほめる」技術』でも、そんな方法をよく考えつくなーという、僕らからするとなんですけど。コミュニケーションのテクニックとか、スキルとか、なにかそういうものをいっぱい持っている人なんじゃないかと感じるところがあるんです。
鈴木: うれしいです、すごく。
稲垣: そういうのはやはり何かあるんですかね。
意識していることとか。
鈴木: 意識しているというか、こういうのに興味を持っている人はみんなそうだと思うんですけど、一つは、やっぱり基本的に人に興味が常にあるというのがあります。

電車に乗っていても、ずーっと人を見ていられる。通勤電車で人を見るのが楽しいというぐらい、人を見ていられるというのがまずあります。

あと、もう一つは、ぶっちゃけで言えば、うまくなりたいというのがありますよね。
稲垣: はあぁ、うまくなりたい。
さっきの負けず嫌いっていうところと・・
鈴木: 似てるかもしれない。
やっぱり、だから伊藤さんのレベルまでもっていきたいというのは。
講演とか研修は、伊藤さんと遜色(そんしょく)ないなと自分で思っている部分があるんです。だけど、やりとりということに関しては、全然かなわないなと思っているんです。

だから、まだそこの間に開きがあるし、その間は、まあ、タイプが違うので、伊藤さんのようになるかどうかは別にして、伊藤さんが例えばこれだけの時間でこれだけの効果を出せるとすると、同じぐらいのところに自分が行き着きたいなというのは思っています。

そういう意味では、モデルで、まだ届いていない部分があるので。
稲垣: 近くにモデルになる人がいて、その人を本当に目標として取り組んでいるということなんでしょうね。
鈴木: それはありますね。

3.人を観察する理由

稲垣: 後で伊藤さんのことも聞きたいんですけど、
人に興味があって、電車の中で人を見ているというのは、どういうところを見ているんですか。観察している?
鈴木: 観察っていうか、見た瞬間に、例えば3人前に並んでいるとすると、一人一人目を合わせると、違う内側の感じって起こるじゃないか。
稲垣: あぁ、自分の内側の感じ?
鈴木: そう、そう。それで何を察知するんだろうかっていうのを言語化する。
見ている部分はどこかと言われると、全体を見るんだけど、それは伊藤さんにも教えていただいたことの一つで、やっぱり目は脳に一番近い感情を表す部位じゃないですか。
だから、目に心が宿るじゃないですけど、目でほとんど判断する。
かといって目を見ちゃうとわからないので、全体の中で目を見るという感じの方法です。そういう意識で人を見ることが多いですよね。
稲垣: わき上がってくる感じを言葉にするというのは、例えばどういう言葉なんでしょう。
鈴木: 映画で学ぶ!心を揺さぶるコーチング【Amazonのページへ】自分の中での質問を変えると出てくる反応も変わるので、アンテナでキャッチしている部分は変わらないんですけども、何を自分の頭の中に問いかけるかによって、出てくる言葉はちょっと変わるんです。
例えば、この人の強みは何だろうという問いかけをすると、そういうフィルターで反応を見るじゃないですか。もし、この人と無人島で2人っきりで過ごさないといけないとしたら、どんなふうに思うだろうかとか。この人が自分の家族だったらどう思うかなとかとか。上司だったらどうだろう。一緒に働けるかな、この人と。いろいろな質問をしながら人を見るんですよ。
よくやるのは、採用もやっているので、例えば誰とだったら一番働いてみたいかなと思うと、これじゃない、これじゃない、これじゃない、あっ、この人だ! というのをしょっちゅうやります。
稲垣: なるほど。採用試験をやるときに使えるようにというのも一つは……。
鈴木: えっとね、採用試験に使えるようにやっているわけではなくて、あくまでも自分のセンスを研ぎ澄ませたいと思って、そういう質問をすることが自分のセンスを磨くのに役立つだろうと思っているんですよね。
稲垣: なるほどね。トレーニングってこと・・?。
鈴木: でも、トレーニングという意識があるわけじゃなくて、なんかやるんですよね。
稲垣: 好きなんですね。
鈴木: 好きなんですね、多分そういうのがね。

と、いったところで、第1回目は終了になります。

みなさんどうでしたか?

このあと話は、鈴木義幸さんのメンターであり、コーチでもある、伊藤守さんの話になっていきます。
第2号は、1月17日になります。

ある一人の人の、一つの判断や一つの気づきから一気に大きな物事に展開していくことがあります。
今回のインタビューに出てきた、あるAさんの一言が鈴木義幸さんの情熱に火をつけ、その火は一気に日本中を巻き込んでいった。そんな感じがします。

まさに、日本でビジネスコーチングのブームが起こったのも、鈴木義幸さんの取った一つの行動から生まれているのではないかとさえ思います。

大きな出来事も、ある人の小さな一つの気づきや行動から起こっているわけです。

いろいろとある出来事の中で、その中から何を受け取るかという感性が改めて大切だと感じました。

そして、それを具体的にしていく強い意志。
鈴木義幸さんは「負けたくない」って言ってましたけど。そんな自分自身の奥底にある強いものと繋がることが大切なんだと思いました。

私は、この話をを聞けて、本当にありがたかったです。
日々の小さな出来事を大切にしていきたいとあらためて思いました。

ここまで読んで、皆さんは、どのようなことを受け取ったでしょうか?


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情熱ライフコーチ ジョニー稲垣